2024.06.07
テクノロジー
2023.12.13
テクノロジー
「歯科医院の電子カルテの選び方を知りたい」
「電子カルテって本当に便利なの?」
上記のような疑問を持つ歯科医院関係者は多いことでしょう。
マイナ保険証の実施や医療DXの推進などにより、電子カルテ導入の利便性は今後さらに増すでしょう。電子カルテは業務効率の向上にも役立ち、スタッフ不足の解消にも貢献します。
この記事では、歯科医院の電子カルテの選び方や導入するメリット、おすすめの製品を紹介します。電子カルテを導入して生産性を高めたいと思っている人は、ぜひご覧ください。
歯科医院の状況により、電子カルテを選定するポイントは異なります。しかし、一般的には以下のポイントをチェックするのが鉄則です。
それぞれ詳しく紹介します。
電子カルテの料金形態には、買い切り型とサブスク型の2種類が存在します。それぞれ費用のかかり方が異なるため、導入時に検討すべき項目の一つです。
買い切り型では一括購入か、リース契約で毎月リース代を支払う方法があります。システムアップデート時や、保守費用などのサポート代もかかる場合も。リースアップ後の再契約でも、新たに費用が発生する可能性もあります。
サブスク型は毎月一定額の料金を支払い、プラン内の機能を自由に使える形式です。業者との契約やアプリのインストールだけで使い始められるため、初期費用が安く導入しやすいのがメリットです。また、ランニングコストも抑え目で、プランの変更や解約も手軽にできます。
しかし、長期的に見ると買い切り型の方が安価になる場合もあります。自院の状況に合わせて選びましょう。
電子カルテにはオンプレミス型とクラウド型が存在します。両者の違いは、システムを自院に置くか、業者が保有するサーバーを経由してサービスを利用するかです。
オンプレミス型では、院内にサーバーを設置してシステムを構築、自院でデータ管理します。導入コストは高額ですが、カスタマイズ性が高いのが特徴です。
クラウド型は、インターネット経由でサービスを利用する方法です。院内にサーバーを設置する必要がなく、災害時などにもデータ復旧がしやすいでしょう。費用もオンプレミス型に比べると低額なことが多いですが、カスタマイズの自由度はオンプレミス型より劣る傾向にあります。
訪問診療や在宅診療、自由診療を行っている歯科医院の場合は、それぞれに対応している電子カルテか確認が必要です。
たとえば、訪問診療ならオフラインでもカルテを編集できるものや、外出先で編集できるものが向いています。自由診療に対応している電子カルテなら、会計時の手間が減らせるでしょう。
歯科医院ではレントゲンやCT撮影があるので、バックアップとして画像保存機能が必須です。描写機能があれば、紙カルテと同じようにコメントを入れられるので、電子への移行のハードルも低くなるでしょう。
「治療中」や「分割歯」「クラウン」といった口腔情報を、アイコンでわかりやすく表示されていると便利です。
電子カルテはメーカーごとに特徴があります。機能面だけではなく、スタッフや導入する医院の状況に合わせて機器を選ぶのが大切です。せっかく導入しても、スタッフが使いこなせなければ効果は半減してしまいます。
UIはシンプルで分かりやすいか、操作は直感的にできるかを確認しましょう。無料トライアル期間があるなら、利用してみるのもおすすめです。
トラブルが起きた際のサポート体制とセキュリティ対策は重要です。歯科医院では数百から数千の患者情報を扱います。そのため、長期に渡って現場のスタッフを助けてくれるメーカーのカスタマーサポート体制が必要です。
セキュリティ性能そのものも重要ですが、問題が起きた場合に備えて、親切丁寧に教えてくれるメーカーを選びましょう。
すでに導入しているシステムがあるなら、これから導入する電子カルテと連携できるのが望ましいです。電子カルテには、下記3つのタイプが存在します。
予約システム・Web問診システム・会計システムなど他のシステムと連携できると業務効率も上がります。今後他のシステムを導入することも考えると、連携性は高いに越したことはありません。
歯科医院に電子カルテを導入する主なメリットは、下記2つです。
詳しく解説します。
電子カルテを導入することで、以下の業務の効率化が期待できます。
手動で行っていた業務を自動化できるので、全体的な業務効率アップが期待でき、スタッフの肉体的、精神的な負担も減少します。
確保できた時間をカウンセリングなど、患者への診療に当てれば、満足度向上も期待できるでしょう。
医療業界での人為的な記録ミスは、患者への治療や投薬などに係わる切実な問題です。医療業界では人員不足もあり、スタッフへの過度な負担がミスに繋がる可能性は軽視できません。
電子カルテには、入力ミスの防止機能や、入力内容のチェック機能が備わっています。人の手を介する範囲を限定することで、ミスの防止を期待できるでしょう。
電子カルテは、他の医療機関との連携で情報共有が可能です。投薬ミスの防止にも役立ちます。
歯科医院におすすめな電子カルテは、下記5つです。
それぞれ機能や強みとする部分が異なります。以下で詳しく紹介します。
公式サイト | https://www.towa-hi-sys.co.jp/product/dental |
料金 | 300万円から350万円システムサポート、ソフト保守、バージョンアップは無料(保険改定費は別途必要) |
特化している機能 | P-Voice、CTIシステム、i-DS検査 |
Hi Dental Spirit XR-10iは、東和ハイシステム株式会社と日立製作所が共同開発した電子カルテです。
AI音声電子カルテで、注目すべき機能は「P-Voice」。通常、歯周病検査は2人作業が基本です。しかし、歯科医師が手袋を外さずに音声だけでカルテ入力が可能なので、1人で作業できます。
セキュリティ面に関しては、指静脈生体認証による本人認証に加え、監査証跡の機能であるセキュアDB「HiRDB」を採用。データにログインした情報や操作内容、アクセス先などを記録してくれます。
歯科医師の不足で悩んでいる医院におすすめです。
公式サイト | https://medibase.cloud/ |
料金 | 45,000円/月 |
特化している機能 | 自由診療に特化 |
MEDIBASEは、株式会社メディベースが開発販売している自由診療に特化した電子カルテです。矯正治療やインプラント治療、美容歯科などの割合が多い歯科医院に向いています。
電子サインに対応しており、見積書や概要書・契約書・同意書などの内容を自由にカスタマイズできます。
また、クラウド型のため、買い切り型やリース型と比べて、導入費や維持費が抑えられるでしょう。定期的なシステムの買い替えは不要で、月額の基本料金45,000円からはじめられます。
サポートは無料で受けられるのもポイントです。
公式サイト | https://www.nhosa.com/product/wisestaff/ |
料金 | 200万円~450万円(オンプレミス型) |
特化している機能 | Wiseビューア、Wise問診表 |
WiseStaffは、株式会社ノーザが開発販売しています。WiseStaffは、正確な電子カルテへの記載を重視しており、業務効率の向上に特化した電子カルテです。院内サーバーにデータ保存しているので、ブラウザを経由して複数のスタッフと情報共有できます。
おすすめの機能はWiseビューアです。iPadを使用して院内のさまざまな場所から、患者のカルテや治療内容、投薬状況・レセプト内容を閲覧できます。
また、Wise問診表アプリを使えば、患者が直接入力した記録を院内サーバーに瞬時に保存できます。スタッフが別途転記する必要がありません。
分院管理などもできるので、系列医院がある場合はさらに業務効率が上がるでしょう。
公式サイト | https://www.dental-plaza.com/article/procyon3/ |
料金 | 要問い合わせ |
特化している機能 | 院内クラウド方式 |
DOG-5PROCYONは、株式会社モリタが開発販売している電子カルテです。特徴として、オンプレミス型や、従来のクラウド型とも異なる「院内クラウド方式」を採用しています。
オンプレミス型は高額な導入費用と定期的な交換が必要です。クラウド型は外部のサーバーに依存しているため、インターネット環境にトラブルが発生すると使用できません。
院内クラウド方式とは、通常クラウドで構築する外部設備の一部を中継基地として、歯科医院にも設置します。それにより、万が一インターネットが切断されても、中継基地があるため問題なく業務を続けられます。
どんなときでも業務が止まらないことを重視している医院におすすめです。
公式サイト | https://www.mic.jp/micwebservice/ |
料金 | 13,200円/月~ |
特化している機能 | 86種類のサービスラインナップ |
paletteは、株式会社ミックが開発販売を行っているクラウド式の電子カルテです。歯科医院の規模や状況、経営戦略を踏まえたトータルサポートを重視しています。オーダーメイドで必要なサービスと料金を追加して組み合わせられるので、コストを最適化しやすいでしょう。
受付や診療、マネジメントに関する各種86種類のサービスから選べます。DX戦略としても自由度の高い選択が可能でしょう。体験版もあるので、事前に使用感を確かめてから導入できます。
使い勝手の良い電子カルテを探している医院におすすめです。
歯科医院が電子カルテを導入するにあたって検討が必要な接続方式や、機能を解説しました。コスト面や環境も重要ですが、導入する前にはスタッフと話し合い業務効率や負担も視野に入れながら検討しましょう。
各社によって、特化している機能やサービスは異なるので、しっかりと比較検討をしましょう。患者の利便性が高まれば、医院の評判も良くなります。電子カルテを導入し、地域にとって望まれる歯科医院を目指しましょう。
2024.04.02
経営
2024.03.11
経営
2023.12.13
経営
2024.06.07
テクノロジー
2024.03.15
経営
2024.01.19
経営
2023.12.13
テクノロジー
2024.05.10
テクノロジー