2023.12.13

経営

歯科医院にもRPAの導入が求められている!活用例や導入のメリットを紹介

「歯科医院におけるRPAの活用例が知りたい」

「RPAを使うとどんなメリットがある?」

などとお悩みではありませんか。

RPAとは、簡単にいうとロボットを使って業務を自動化する技術です。RPAが注目されている理由は、業務効率化で従業員の負担を減らすだけでなく、患者へのサービス品質の向上も見込めるためです。

この記事では、歯科医院におけるRPAの活用事例を業務別に紹介し、RPAが必要とされる理由や導入効果を詳しく解説します。

目次

  1. 歯科医院でのRPA活用事例を業務別に紹介
    •  1-1 医療事務業務
    •  1-2 経営管理業務
    •  1-3 経理業務
    •  1-4 総務・人事業務
    •  1-5 患者支援業務
  2. 歯科医院にRPAが求められている3つの理由
    •  2-1 歯科業界の人材不足
    •  2-2 働き方改革の推進
    •  2-3 医療DXの推進
  3. 歯科医院にRPAを導入するメリット4選
    •  3-1 スタッフの負担軽減
    •  3-2 患者の来院率増加
    •  3-3 業務効率化による費用削減
    •  3-4 人為的ミスの防止
  4. まとめ:歯科医院も積極的にRPAを導入しよう

1.歯科医院でのRPA活用事例を業務別に紹介

RPAは正式にはロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)と呼びます。

RPAは消耗品などの受発注や在庫管理など、感情や判断を伴わないルーティーン作業に向いています。いわば24時間365日対応可能なスタッフとしての役割を果たします。

歯科医院にはさまざまな業務がありますが、自動化する業務の見極めがRPA導入のポイントといえるでしょう。

歯科医院の状況によりますが、RPA活用例は以下の通りです。

  1. 医療事務業務
  2. 経営管理業務
  3. 経理業務
  4. 総務・人事業務
  5. 患者支援業務

それぞれ詳しく説明します。

1-1 医療事務業務

RPAに任せられる代表的な仕事は、受付や患者情報の更新などの医療事務業務です。

タブレットを利用して受付業務をRPAで自動化すると、主訴や患者情報の入力、受診履歴閲覧が簡単にできるようになります。

さらに、患者からの電話やWeb予約をRPAに任せると、変更やキャンセルにも自動対応が可能です。人の手を介さずに治療のスケジュールを調整できます。

ロボットが行うため正確さを担保しつつ、スタッフの負担軽減も期待できるでしょう。

1-2 経営管理業務

RPAは収支レポートなど、経営状況の評価材料になるデータも自動作成できます。経営管理は事業活動に必要なヒト・カネ・モノ・情報をマネジメントする業務なので、データ集計が欠かせません。

たとえば、患者統計グラフの作成や手術件数の抽出、医薬品使⽤率の算出など経営管理に必要な数値指標収集はRPAで自動化できます。

経営情報の集計は、骨の折れる作業の一つでしょう。RPAに集計作業を任せることで、経営判断などのバリューの高い作業に集中できます。

1-3 経理業務

RPAを使って、診療報酬算定後の保険請求処理や財務諸表の作成なども自動化できます。

歯科医院から診療報酬を請求する業務は、月末から翌月10日までに行われるのが一般的ですが、ルールに沿ったデータ入力が必要です。RPAは患者の最新データをレセプト(診療報酬明細書)用書式に自動整形してくれるため、経理業務の負担が大幅に軽減されます。

レセプト請求業務などの金銭を扱う仕事は、人為的なミスを起こさないRPAへの移行が望ましいと言えます。

1-4 総務・人事業務

スタッフの働く環境を整備する総務業務や、勤怠管理やスタッフ情報のデータ登録といった人事業務にも、RPAを活用できます。

具体的には、超過労働時間の集計や、給料日に人件費を自動計算・データの保存などが可能です。その他、健康診断の実施や、共済・扶養関係書類の自動チェックなども任せられます。

さらに、新入社員や退職者情報の人事マスタへの反映など、幅広い業務においてRPAが活躍します。

1-5 患者支援業務

RPAを活用すると、紹介状の作成やカルテの開示印刷に素早く対応するなど、患者支援業務を充実させられます。

患者データを自動管理すると、情報の精度や透明性が保たれ、医師とスタッフ間の連携がスムーズになるでしょう。

RPAによる業務効率化は、患者へもメリットをもたらします。歯科医院の安定した運営のために、RPAを活用して患者満足度を高水準に保ちましょう。

2.歯科医院にRPAが求められている3つの理由

歯科医院にRPAが求められている理由は、以下の3つです。

  1. 歯科業界の人材不足
  2. 働き方改革の推進
  3. 医療DXの推進

働き方改革や医療DXによって、歯科業界の労働環境は大きく変わりつつあります。その背景を踏まえながら、RPAが求められる理由をみていきましょう。

2-1 歯科業界の人材不足

少子高齢化に伴う15〜65歳未満の生産年齢人口が減少に伴い、歯科業界でも人材不足が叫ばれています。

人材不足によりスタッフ1人当たりの業務負担が増え、長時間労働が問題になっています。さらに国家資格である歯科衛生士は女性が多く、育児や介護で離職した人が復帰しやすい職場環境が十分整ってるとは言えないでしょう。

人手不足を解消する手段の一つに、新規採用が考えられますが、少子化の影響で、十分な数の人材を確保するのは難しいかもしれません。RPAによる自動化は、人材不足を解決する手段の一つとなりえるのです。

2-2 働き方改革の推進

RPAの活用は、働き方改革の推進にも貢献します。働き方改革による時間外労働時間の規制では、2024年4月以降は原則として「月45時間・年360時間」と定められました。1

しかし、ただでさえ人材不足である状況で、単純に労働時間を削減することは難しいでしょう。RPAを使えば、スタッフの負担軽減が期待できます。

RPAであれば夜間にも稼働させられるため、定型業務を夜間に処理させ従業員の残業を削減することもできるでしょう。

長時間労働は従業員の心身にダメージを与えやすく、仕事に対するモチベーションや生産性も低下します。従業員を守る手段として、RPAを検討してみてはいかがでしょうか。

2-3 医療DXの推進

近年DXという言葉が注目を集めていますが、医療業界にもDXの波が押し寄せています。

日本の医療業界は、そもそも以前からデジタル化が進んでおらず、ITによる業務効率化の必要性が高い業界の一つです。

特に新型コロナウイルスは、人材不足による医療崩壊リスクを表面化しました。ITの力を利用し、次なるパンデミックに備える必要性は高いでしょう。RPAの活用は、医療DXの推進に寄与します。

医療DXについては、以下の記事でも詳しく解説しているため、併せてご覧ください。

歯科医院 医療DX「医療DXが実現する歯科医院の5つの未来とは?現状と取り組み例も」

3.歯科医院にRPAを導入するメリット4選

歯科医院にRPAを導入する主なメリットは、以下の4つです。

  1. スタッフの負担軽減
  2. 患者の来院率増加
  3. 業務効率化による費用削減
  4. 人為的ミスの防止

それぞれ詳しく解説します。

3-1 スタッフの負担軽減

RPAの活用による直接的なメリットに、スタッフの負担軽減が挙げられます。歯科医院のスタッフに大きな負担がかかっているのは、これまで述べた通りです。

RPAは単純で繰り返し行う業務を自動化することができます。一方で、患者とのコミュニケーションは、人間だからこそできる、付加価値の高い業務です。RPAを活用することで、スタッフは定型的な業務から解放され、より創造性や専門性を発揮できる業務に集中できるようになります。

また、治療以外の事務や雑務が不要になることで、スタッフの身体・精神的な負担が軽減されるでしょう。

3-2 患者の来院率増加

RPAの診療予約システムを利用することで、患者の来院率改善が期待できます。

患者の予約情報や治療履歴を自動収集しカルテに反映することで、準備がスムーズにでき、混雑を回避できるためです。

予約確認の通知メールやアフターフォローメールを自動送信に切り替えると患者来院率は増加するでしょう。さらに雑務処理を自動化すれば、同じスタッフ数でもキャパシティの増加が見込めます。

3-3 業務効率化による費用削減

RPAの導入は「ムダ・ムラ・ムリ」を排除して、効率的に業務を遂行できるようにするための取り組みを強化します。

単純作業は機械の得意とするところです。受付予約や入力作業を自動化できれば、事務担当するスタッフの作業を削減し、人件費を削減することができます。

浮いたコストは人材や設備投資に回したりと、より良いサービスを提供するための原資にできます。

3-4 人為的ミスの防止

人間は、どんなに注意してもミスをしてしまうものです。しかし、RPAは、プログラム通りに動くので、ミスを起こす可能性が低くなります。

ミスが発生すると、そのリカバリーにもコストがかかってしまいます。RPAを上手に活用し、人為的ミスの発生を防ぎましょう。

4.まとめ:歯科医院も積極的にRPAを導入しよう

RPAの導入ニーズが高まっている背景には、働き方改革や医療DXといった政府施策の後押しもあります。

すでに多くの歯科医院様に活用されているRPAは、労働環境の改善だけでなく、来院率増加や費用削減も見込めるでしょう。

RPAが導入された場、スタッフはよりバリューの高い業務に注力できるため、スキルアップや労働意欲の向上も期待できます。

歯科医院における人材不足問題は技術向上や差別化のチャンスでもあるので、積極的にRPAを導入しましょう。

  1. 厚生労働省「時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務」 ↩︎
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