2024.01.29

テクノロジー

歯科医院のレセコンの選び方3選|メリットやおすすめ製品も8個紹介

「レセコンの導入を検討しているが、選択肢が多くて迷っている」

「レセコンを導入すると何が良いのだろうか」

というような疑問を持つ人は多いことでしょう。

この記事では、歯科医院にとって必要不可欠とも言えるレセコンの選び方を解説します。レセコンを使うメリットやメーカーの特徴も紹介するので、レセコン導入を検討している人はぜひご覧ください。

目次

  1. 歯科医院向け失敗しないレセコンの選び方
    • 1-1 コスト|導入・運用費用がどれくらいかかるか
    • 1-2 機能性|直感的な操作感で使いやすいか
    • 1-3 サポート体制|トラブル時の対応やセキュリティ対策
  2. レセコンを導入するメリット
    • 2-1 受付・会計業務の効率化
    • 2-2 返戻レセプト数の削減
    • 2-3 安全にデータ管理ができる
  3. レセコン導入時にはIT導入補助金が使えることがある
  4. 歯科向けおすすめのレセコン8選
    • 4-1 With|高い安全性と他システムの連携性が魅力
    • 4-2 Wise Staff|導入後も専門スタッフがフルサポート
    • 4-3 Opt One3|情報共有に優れ、業務効率を最大化
    • 4-4 Power5G|レセプト業務の効率化とコスト削減
    • 4-5 Palette|利用環境にフィットしたサービス提供が魅力
    • 4-6 DOC-5 PROCYON|受付・予約・診療をスピーディーに
    • 4-7 iQalte|操作がシンプルで直感的
    • 4-8ジュレア|月額プランで費用も抑えやすい
  5. 決済システムとの連携にはPay Lightがおすすめ
  6. まとめ:最適なレセコンを選び、業務を効率化しよう

1.歯科医院向け失敗しないレセコンの選び方

失敗しないレセコンの選び方には、以下3つのポイントがあります。

  • コスト
  • 機能性
  • サポート体制

それではひとつずつ見ていきましょう。

1-1 コスト|導入・運用費用がどれくらいかかるか

導入費用はもちろん、ランニングコストも選ぶ上では考慮すべきポイントです。レセコンの導入・運営費用の一般的な費用を表にまとめたので、ご覧ください。1

オンプレミス型クラウド型
初期費用300~500万円0円~
月額費用3~5万円2~5万円

オンプレミスかクラウドかによって、費用が大きく変わることが分かります。自院内に機械を設置する必要のないクラウド型なら、初期費用をほとんどかけずに運用を開始できます。

ランニングコストも、クラウド型の方が安価な傾向にあるでしょう。

1-2 機能性|直感的な操作感で使いやすいか

レセコンを使用するのは、主に会計業務を行う事務スタッフです。システムを業務に溶け込ませるためには、UIが優れており、操作しやすいことが重要です。機能が充実していても、操作が難しいと感じるなら業務効率化の大きな効果は期待できません。

操作感だけでなく、他システムとの連携やカスタマイズ性など、自社の業務にマッチするかどうかも要チェックです。

実際にレセコンを操作するスタッフの意見もヒアリングしながら、ストレスなく使える製品を選びましょう。

1-3 サポート体制|トラブル時の対応やセキュリティ対策

サポート体制が整っていれば、操作に不明点があったり、トラブルが起こったりしたときにすぐにサポートを受けられるので安心です。また、セキュリティ対策も欠かせません。サポート体制については、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 対応できる時間
  • サポートがつながりやすいかどうか
  • 遠隔サポートしてくれる
  • FAQが充実している
  • データのバックアップや無停電電源装置がある

電話やメール・チャットだけではなく、可能であれば現場まで来てくれるサービス会社だとより安心です。

2.レセコンを導入するメリット

レセコンを導入するメリットは、以下の3つです。

  • 受付・会計業務の効率化
  • 返戻レセプト数の削減
  • 安全にデータ管理ができる

それぞれ詳しく解説します。

2-1 受付・会計業務の効率化

レセコンの導入により、以下の受付業務の効率化が期待できます。

  • 患者の予約をオンラインで管理
  • 問診票をタブレットで作成
  • 患者のスマートフォンを診察券として使用

患者の予約をオンラインで管理するメリットは、抜け漏れなくリアルタイムで情報を更新できることです。キャンセルがあった際も自動で反映されるため、受付スタッフの負担軽減が期待できます。

問診表をタブレットで作成できれば、データをそのままパソコンに移動させられます。紙の問診表を転記する必要がなく、医師の負担軽減になるでしょう。ペーパーレス化による院内のスペース確保や、紛失リスクの軽減にもつながります。

診察券を紙で運用している歯科医院は多いのではないでしょうか。紙の診察券では患者が忘れたり紛失したりするリスクがあり、再発行の必要があった際は手間がかかります。複数の医院に通っている患者にとっては、何枚も診察券を持ち歩くのは面倒でしょう。

スマートフォンのアプリで診察券を発行できるサービスを利用すれば、上記のようなデメリットを解消できます。診察券機能だけでなく、予約管理や受診日のリマインダー機能を搭載しているものもあるため、予約忘れの防止も可能です。患者にとっても、診察券を持ち歩いたり忘れたりする煩わしさから解放されるので、医院と患者双方にとってメリットがあります。

会計業務の効率化については、以下が期待できるでしょう。

  • 保険点数の自動計算
  • 入力している段階での記入データチェック
  • 算定ルール・算定漏れなどのチェック
  • 診療報酬改定への対応

保険点数の計算は、医院の収入減や患者への過剰請求などの重大なトラブルにつながることから、ミスがあってはならない業務です。そのため、スタッフの負担も大きいでしょう。

レセコンを使えば、診療内容のコードや品番を入力すると、保険点数を自動計算してくれます。電子カルテと連携可能な製品であれば、診療内容を入力するだけでレセプトが発行できるため、保険点数の入力をなくすことも可能です。

製品によっては記入されたデータのチェックや、算定漏れのチェック機能を搭載したものもあり、正確な業務遂行をサポートしてくれます。

薬価については1年に1回、その他の報酬や価格については2年に1回、報酬価格の改定が行われます。クラウド型の製品を中心に、診療報酬改定があった際に自動で反映してくれるものがあるのもポイントです。会計スタッフの手間が削減されるだけでなく、必ずしも高い専門知識を持たずとも業務を遂行できるでしょう。人材採用の門戸を広げやすくなります。

レセコンによっては、経営に関するデータの収集・参照まで行えるものもあります。

2-2 返戻レセプト数の削減

保険医療機関が提出したレセプトは、審査支払機関および保険者で、審査や確認が行われます。 レセプトの内容に不備や誤りがあった場合は、保険医療機関にレセプトが差し戻され、これを返戻レセプトと呼びます。

2021年からは、オンライン資格確認の運用が開始されました。オンライン資格確認とは、マイナンバーで医療機関や窓口で保険資格情報を確認する仕組みです。レセコンの導入とオンライン資格確認により、返戻レセプト数の削減が期待できます。

2-3 安全にデータ管理ができる

紙のカルテを使用している場合、災害に見舞われた時には復旧が難しいでしょう。紛失のリスクも考えられます。また、患者が増えるほど保管場所が必要になり、院内のスペースを圧迫してしまいます。

レセコンを導入すれば、データのバックアップを保存できる上、クラウド上にデータを保存も可能です。クラウドでカルテを保存する場合、サービス会社のサーバーに保存することになります。サービス会社は不正侵入検知システムや、データの暗号化により、ユーザーのデータを安全に保管しています。万が一医院が災害に見舞われたとしても、データはサービス会社のサーバーにあるため、容易に復旧が可能です。

3.レセコン導入時にはIT導入補助金が使えることがある

レセコンを導入する際には、IT補助金を使える可能性があります。IT導入補助金とは、中小企業の業務効率化やDXの推進を支援する制度です。補助金の種類は、以下の4つです。2

  • ITツールを導入する経費の一部を補助する通常枠
  • サイバーリスク低減を目的とするセキュリティ対策推進枠
  • ECソフトの経費の一部を補助するデジタル化基盤導入類型
  • 複数社へのITツールの導入を支援する複数社連携IT導入類型

レセコン導入の際には、受給条件を満たしていないか、ぜひチェックしましょう。

4.歯科向けおすすめのレセコン8選

以下では、歯科医院におすすめのレセコンを8つ紹介します。

  • With
  • Wise Staff
  • Opt One3
  • Power5G
  • Palette
  • DOC-5 PROCYON
  • iQalte
  • ジュレア

1つずつ詳しく見ていきましょう。

4-1 With|高い安全性と他システムの連携性が魅力

Withは、厚労省ガイドライン準拠の高セキュリティ・ネットワーク基盤を提供しています。

患者情報や診療情報を、高いレベルのセキュリティで守れるでしょう。withは他システムとの連携性が高く、以下のシステムと連携できるのが魅力です。

  • 予約管理システム
  • 問診タブレットなどでクラウド共有
  • 自動精算機などの会計システム

レセコンだけでなく、他システムの導入も検討している場合は、Withのソリューションをチェックしてみましょう。

4-2 Wise Staff|導入後も専門スタッフがフルサポート

Wise Staffは、オンラインシステムに不安のある医院も安心して利用できるのが特徴です。安全性を重視したNTTデータの「@OnDemand接続サービス」を採用しており、具体的には次のようなサポートを用意しています。

  • 遠隔バックアップサービス
  • オンラインバージョンアップ
  • リモートサポート

特に導入時には、専任のサポートスタッフが対応してくれるので安心です。導入後も、システムの操作や保険請求に精通した専門スタッフが電話や訪問でサポートしてくれます。

4-3 |情報共有に優れ、業務効率を最大化

Opt One3は、医療システムの安全管理対策を支援しており、電子カルテ保存3原則にも対応しているのが魅力です。

  • 真正性:正当な人物が記入し、改ざんなどが防止されていること
  • 見読性:電子保存されたデータを、必要に応じて肉眼で見読できること
  • 保存性:法令にもとづきデータが保存されていること

電子カルテは、情報セキュリティに配慮した運用が求められます。オプテックではそのための運用支援サービスも提供しています。電子カルテ保存3原則を順守し、業務効率を最大化できるでしょう。

4-4 Power5G|レセプト業務の効率化とコスト削減

Power5Gは、次のようなレセプト業務の悩みを解決してくれます。

  • 気軽に導入できるサブスク型で、初期費用やランニングコストを削減
  • 買い替え不要のため、サポート終了の度に買い替える手間がない
  • 「前回の続き」入力により、処置データをスムーズに移行
  • UIが使いやすく、マニュアルなしでも使用可能
  • 土曜日も対応する安心のサポート体制

他社システムとの連携も可能なため、レセプト業務の効率化に大きく寄与するでしょう。クラウド型のため、場所に縛られずレセプト業務を行えるのもポイントです。

4-5 Palette|利用環境にフィットしたサービス提供が魅力

Paletteの特徴は、大きく以下の3つです。

  • 必要な機能を厳選でき、無駄のないコストパフォーマンスの実現
  • 契約期間の縛りがなく、いつでもプラン変更や解約が可能
  • オンラインで自動更新されるので、買い替えの必要がない

さまざまなムリ・ムダ・ムラを一切排除して、コスト面だけでなく業務効率を重視した導入を支援するサービスが魅力です。

4-6 DOC-5 PROCYON|受付・予約・診療をスピーディーに

DOC-5 PROCYONは、受付・診療・予約システムが一体となったシステムです。カルテに入力したデータは、来院情報や口腔情報管理、患者提供文書などのあらゆるデータと連携ができます。

加えて、受付から診察・会計・次回の来院予約までも一括で管理できるので、スピーディーな対応が可能です。情報を一元管理化することで、レセプト業務に必要な内容を漏れやミスなく作成するのにも役立ちます。

4-7 iQalte|操作がシンプルで直感的

iQalteは、カルテ用紙のイメージをそのままにして、直感的な操作を可能にしたシステムです。カルテ作成から会計、レセプト業務までiPad1台で対応でき、場所を問わず業務を進められるでしょう。

iPadは何台でも連携でき、利用開始当日からの利用も可能です。ペンシルを使用することで、キーボード入力だけでは伝えきれない内容をiQalte1つでスムーズに共有できます。導入時の疑問点に対しても、動画や説明資料が豊富で安心して利用ができます。

4-8 ジュレア|月額プランで費用も抑えやすい

ジュレアは、歯科医院での導入実績が1,000件を超える人気のレセコンです。その他にも、以下のメリットがあります。

  • 月額19,800円のみのシンプルな料金体系
  • 複数の機器と連携をしても金額はそのまま
  • 他のレセコンと同様に業務効率化が期待できる

予約管理やカルテ作成、会計、患者系統から経営分析もジュレア1つでできます。費用の安さから、レセコンの導入をこれから検討していく歯科医院におすすめです。

5.決済システムとの連携にはPay Light Checkがおすすめ

歯科医院の業務の中で負担が大きいと言われるのが予約管理や会計です。Pay Light Checkは、患者・スタッフともに手間がかかる会計業務を機械化し、ストレスフリーにしてくれます。

Pay Light Checkはレセコンとの連携も可能で、入金情報の共有や領収書の印字を自動精算機でできます。混雑を感じる受付業務を短縮し、患者の満足度向上を目指しましょう。

6.まとめ:最適なレセコンを選び、業務を効率化しよう

2021年から運用が開始されたオンライン資格確認で、紙カルテからデジタル化への移行が急速に早まっています。レセコンに入力された情報は、院内だけのものではなく地域医療で共有する時代が迫ってきているのです。

レセコンは、電子カルテ機能だけでなく、医院の経営に関する情報まで分析できる機能を持ったものもあります。今後の医院の経営に最適なレセコンを選べば、業務効率化や安全なデータ管理体制を築けます。

  1. https://clius.jp/mag/2022/08/29/karte-ittai-bunri/ ↩︎
  2. 一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金2023」 ↩︎
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