2024.04.26
経営
2024.04.05
経営
歯科医院の開業は、多くの歯科医師にとって夢でありながら、同時に多くの課題と不安を伴うものです。開業準備の段階から実際にクリニックを運営するまで、どのような困難が待ち受けているのでしょうか?また、成功への鍵はどこにあるのでしょうか?
本インタビューでは、開業4年半を迎えたヘルシーライフデンタルクリニックの手塚先生に、開業のきっかけ、準備期間の苦労、医院運営のコツ、そして未来の展望について、赤裸々なお話を伺いました。開業を考えている方はもちろん、現在医院を運営されている方にも参考になる内容ですので、ぜひご一読ください。
→前編はこちら
ー 開業にあたって「集患」に関してはどのように考え、取り組まれましたか?
手塚:そのあたりは少しぼやっとしていたかもしれません。とはいえ私自身が元々川崎で雇われ院長を5年やっていたので、川崎からも通いやすいところであれば、川崎の患者さんも来てくれたらいいなと考えました。あとは新橋という場所柄、人通りはありますし、ホームページ等での活動をきちっとやれば、徐々に増えてくる可能性はあるかなとは思いましたね。
あとは診療内容が尖ってる・・・と言いますか、少し他とは違うやり方をとっていることもあって、静岡県から患者さんが来たりすることもあるので、東京駅から近いと割と来てくれたり、遠方の人が来られるんじゃないか、というのはぼんやりと思っていたくらいですね。
あと考えたことといえば、外国人の方をどう取り込んでいこうかということですかね。開業前にこのエリアの都市計画を見ましたが、外国人の働き口だったりそういう拠点にしていく予定だみたいな構想があって、だったら英語を受け入れて外国人対応力を上げていければおそらく患者さんの方から来るんじゃないかとか、いろいろ予測は立てていましたね。でも結局コロナウイルスが流行してしまったタイミングもあって、かなり予定は狂ってしまいましたけどね(笑)
ー 実際と見込みの違いはどれくらいありましたか?
手塚:最初はやっぱりそんなに患者さんは来てくれなくて、少ない時期が多かったですね。でもブランディングが確立していて、その中でYouTube配信やブログ配信をやってると、それを見てくる人が結構多いので、患者さんのニーズとこちらが提供するものが合致してくることが多くなってきますね。
ー 手塚先生の若い年齢もあって、youtube配信やSNS配信への取り組みやすさがあるのかなとも思うのですが、集患においてどのくらい発信は大切なものなんでしょうか。youtubeなどは最初からやっていこうと思っていましたか?
手塚:全然思って無かったです。むしろ恥ずかしいし、やるべきものじゃないと思っていたくらいです。ただコロナウイルスが流行したときにすごく暇になってしまって、これは何かやらないと時間がもったいないと思ったのと、当時オンライン診療で新規の患者さんが結構多かったんですね。月10人くらいはオンライン診療でやっていました。振り返ればその時は「ビデオファースト」という言葉の出始めで、これからビデオで何かを説明する機会が増えてくると言われていた頃だったかなと思います。ですからうちの医院でも治療の説明動画、患者さんに送るための動画を作ろうと思ってスタートした感じでした。
ー なるほどそれがいつか集患に繋がればいいな、ぐらいの感じで?
手塚:最初はそうですね。
ー でも結局そこから多くの患者さんが入ってくることになったんですよね。
手塚:月に何人か必ずYouTube経由で新規の方がいらっしゃいますね。最近ちょっと伸び悩んでるんですけど、それでもYouTubeチャンネルの登録者は3000ちょっとぐらいあります。加えてショートムービーとかもやったりしています。
ー チャンネル登録者数3000はすごいです!
手塚:YouTubeに詳しい人にとりあえず50個動画を上げるとYouTube側がチャンネルとして認識し始めるみたいなことを聞いて、じゃあまず50個までは毎日やろうと決めて、動画を撮って、アップしてを繰り返してましたね。そうするとその中で一部がバスるというか、再生数が伸びる動画が出てきたんですよね。たまたまだと思うんですが「結構見てくれるんだ、興味ある人がいるんだって思って続けるようになりました。ちなみにそこにお金とかもかけたくなかったので、動画に関しては外注とかも一切していないんです。YouTubeは全て院内で撮影して、スタッフが編集して動画にしていました。
ー けっこう大変だったところもあるかと思いますが、効果はあったわけですよね。
手塚:やった意味はありましたね。他のリスティング広告のようなものに月10万とかをかけてクリック単価が高い広告をやっていくよりは断然コスパもいいですし、そもそも自分の発信したいことに興味を持ってマッチングしてきてくれるわけですから、こちらが望む患者さんが来るわけですよ。そういう意味ではYouTubeはやって非常に良かったと思います。
ー ここまで開業に至る背景や準備、SNSでの配信、集患に至るまで非常にうまくやられている印象を受けますが、ご自身の感覚の中ではうまくいっているなという実感はありますか?
手塚:ありますね。年々成長しているというのもありますし、うまくいってるとは思ってます。
ー その一番の要因って何だと思いますか?
手塚:スタッフの定着、あとは患者さんがリピートしてくれてることは大きいかもしれません。新規の患者さんが30人くる時に、うち10人くらいは紹介で来てくれるので、紹介比率が上がっています。
ー あと、歯科医療に対する先生の考え方が一貫していることがうまくいってる要因なのかなと勝手に思いながら聞いているんですが、その辺りはいかがですか?
手塚:そこは自信があって、開業当初から「私がやってることが必ず将来世界的に論文が出て、後からエビデンスが絶対ついてくる」というふうに思っていたんですよ。「今は新規性があるように見られがちだけど、そのうち当たり前になるに決まってる」と確信を持ってやっていたので、そこに関しては、結果として先駆けてやってるだけで特殊なことだとは思ってなかったりします。
ー 今、開業されて4年半ですか。まだまだこれからだと思うんですが、これからこんなふうな医院にしていきたいなとか、こんなことをやっていきたいということがありましたら最後に聞かせてください。
手塚:この1年、徐々に街に愛着が出てきました。この新橋という街で夜、診療終わりに飲食をしたりすることで知り合いがどんどん増えてきていて、この地域で自分と知り合った人に何かいいものを提供できるようにしていきたいな、というような、そういう路線の愛着が出てきている感じはありますね。
ー このエリアに何ができるんだろうっていう?
手塚:そうです。そうです。またこれは野望でもあるんですが、地方とかこれから盛り上がってくるエリアが出てくる中で、自分の今の診療体系が多くの患者さんにとって、日本人にとっていいものであれば、それを違う場所でも展開できるような状態を作ったりしていきたいなという思いは持っていますね。
ー ありがとうございました。
手塚 充樹(テヅカ ミツキ)
歯科医師・歯学博士
鶴見大学歯学部歯学科卒業
臨床研修修了
鶴見大学歯学部口腔内科学(口腔外科学第2)講座入局
歯学博士号取得(口腔内科学専攻)
鴨宮 青山デンタルクリニック 非常勤
新橋 テヅカ歯科クリニック 副院長
川崎 ジンデンタルクリニック 院長
学校法人 大原学園 東京立川歯科衛生学院専門学校 兼任教員
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