2024.04.26
経営
2024.04.19
経営
「歯科医院の経営を成功させられるか不安」
「歯科医院の経営に必要な知識が分からない」
歯科医院の開業を考えている歯科医師の多くは、上記のような悩みを抱えているのではないでしょうか。この記事では、安定した歯科医院経営に有効な知識を紹介します。開業を考えている歯科医師はぜひ参考にしてください。
競争が激しいといわれる個人歯科医院ですが、開業歯科医師の平均年収は1,400万円程度です。経営者としての考え方次第で、中長期的に利益を生む可能性は高いといえるでしょう。
経営者としての考え方は主に3つあります。
順番に詳しく見ていきましょう。
歯科医院を経営するには、明確なビジョンや理念が必要です。
医院として一貫した治療方針を掲げることで、それに共感するスタッフや患者を引き寄せられるためです。逆に明確なビジョンがないと、他の歯科医院との違いがなく、患者が自院を選ぶ理由がなくなってしまいます。
まずは患者のどのような悩みを解決したいのかを明確にしましょう。
いざ経営を始めると、ほとんどの場合で当初思い描いていた通りにいかないことに気づくでしょう。そのときは、現状と将来像のギャップを明確にし、差分を埋めるための施策を考えなければなりません。
「来院数○名増」や「自費診療率○%」など、具体的な数値目標を立てるのがポイントです。
現在の立ち位置と目指すべき場所が分かったら、差分を埋めるためのアクションを行います。医院の将来像は長期的な目標です。
そのため、月の売上目標などの短中期的な計画に落とし込み、スタッフの採用や設備投資、販促活動など日々の行動につなげましょう。
歯科医院を経営するにあたって理解しておくべきお金の仕組みを解説します。経営の根幹となる売上と経費について、詳しく見ていきましょう。
歯科医院の売上は、保険診療と自費診療の売上の2種類に分けられます。一般的な歯科医院の月平均売上は400万円程度であり、内訳は保険診療が82.2%、自費診療が17.6%です。
このことから、より積極的に売上を伸ばしていくなら、自費診療の割合を増やすことが基本的な方針として導けます。
歯科医院で発生する経費の一例として、以下が挙げられます。
中でも大きな割合を占めるのは、スタッフの人件費です。売上に対する人件費率は、個人経営で約20%、法人で約28%が目安とされています。スタッフの雇用を考える際の参考にしましょう。
財務諸表は企業の通知表とも呼ばれ、組織のお金の流れをそれぞれ違う視点から表すものです。経営者として医院の財務状況を把握することは必須といえるでしょう。
財務諸表とは以下の財務三表のことをいいます。
それぞれの基礎知識を解説します。
PLとは、売上から経費を差し引いた利益がどれくらいあるかを表す資料です。
経費には、売上に比例して増減する変動費と、毎月固定でかかる固定費があります。個人歯科医院の場合、売上における変動費は15%前後、人件費などの固定費は60%くらいが相場です。
PLは年間の売上や利益目標を立てる際に役立ちます。
BSは組織の財政状況を可視化する資料です。「資産=負債+純資産」で構成され、左側に資産を、右側に負債と純資産を記入します。左側と右側の合計金額は常に一致します。
安定した経営を目指すなら、返済の必要がない純資産の割合を増やすのがポイントです。一般的に、純資産の割合は30%程度が望ましいとされています。
CFは収入から支出を引いて、手元に残る資金がわかるようにした資料です。治療と代金の回収にはタイムラグがあるため「売上として計上されているが、まだお金は入っていない」というズレが生じます。
このような記録と実態のズレを明確にするのが、キャッシュフロー計算書の役割です。利益が出ていても支払いに行き詰まるという状況を避けるためには、CFを理解する必要があります。
これまでの内容を踏まえ、売上を上げるためのポイントを6つ紹介します。
順番に詳しく見ていきましょう。
人件費はスタッフの人数に比例し、固定でかかるコストのため、適正かどうかの見極めは常にしなければなりません。人件費は高すぎると利益が残らず、減らしすぎるとスタッフが離れてしまうため、中庸を保つのが重要です。
先述の通り、個人経営なら売上に対して20%程度になるよう、採用や昇給のペースを考えましょう。
先述の通り、歯科医院の売上のうち、保険診療が多くの割合を占めています。このことは、自由診療を増やす余地が大きいことも意味します。
具体的には、通常の保険診療に加え、保険で対応できないインプラントや歯科矯正などの選択肢を与えるのが効果的です。とはいえ自由診療を全面に出しすぎると患者の不信を招くため、あくまで選択肢として提示し、患者に選ばせる姿勢が重要です。
ある程度経営が軌道に乗ってきたら、新規獲得に加えリピーターを増やすための施策を打ちましょう。再診率を上げるには、地道ではありますが患者へ丁寧に対応するのが効果的です。
また、治療時間は限られているため、ホームページやSNSなどで治療に関する情報を発信するのもよいでしょう。患者に「また来たい」と思ってもらえるような医院作りを根気よく行いましょう。
経費の削減は長期的に医院のキャッシュフローを改善し、安定した経営につながります。たとえば、利益率20%の場合、経費を10%削減することは、売上を40%増加させる効果と同じだと言われています。
また、受付・会計・電話対応をAIにまかせて自動化するなどのDX化も、長期的な経費の削減効果が期待できるでしょう。歯科医院では投資的な感覚が乏しいと言われており、業務の自動化へ積極的に投資を行っている歯科医院は少ないのが現状です。
設備投資には初期費用がかかりますが、目先のお金にとらわれるのではなく、中長期的な視点を持つことが重要です。
多くの税金を納めている医院はもちろん立派ですが、現実を見れば払わなくてよい税金は払わないに越したことはありません。
しかし、院長個人でできる節税対策には限りがあるため、税理士を付けるのがよいでしょう。税理士であれば、利用できる税制優遇や節税のコツなどを熟知しています。
歯科医院経営は、明確なビジョンと理念のもと実行可能な計画に沿って進めることが大切です。PL・BS・CFの財務三表でお金の流れを把握し、目先の利益にとらわれず、最終的に医院にプラスになる経営判断が求められます。
将来の利益を考えると、多少お金がかかっても設備やサービスに先行投資をするのが合理的な場面は多くあります。院長、さらには経営者として、関係者全員が幸せになる医院経営を目指しましょう。
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