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経営
2023.12.13
経営
「患者からのクレームが多いので、減らしたい」
「クレームが発生した場合の適切な対処法が分からない」
丁寧な診療を心がけているものの、クレーマーが一定数発生し困っている歯科医院は多いのではないでしょうか。クレーム処理に時間を取られ、業務に支障を来たしているなら、対策が必要です。
この記事では、歯科医院向けのクレームを減らす方法や、クレームが発生した際の対処法を解説します。クレーマーを減らしたい、クレーム処理をスムーズに行いたいと思っている人はぜひご覧ください。
クレーマーを減らすために重要なのは、クレームが発生しやすい部分に先んじて対策をすることです。クレーマー対策に有効な事前対策方法は、以下の4つです。
それぞれ詳しくみていきましょう。
診断ミスによる不適切な治療、コミュニケーション不良により患者を不快にさせてしまうとクレームの原因となります。特に受け付けは、最初に患者と接する役割です。受付スタッフの態度次第で、患者の医院に対する印象は大きく変わります。
これらのクレームを減らすには、診療技術やコミュニケーション能力の向上が必要です。
診療技術向上には、外部研修や院内での実技指導を実施し、質の向上を目指しましょう。コミュニケーション能力の向上には、ロールプレイングでスタッフが患者役を担い、実際に近い状況で経験を積む方法が挙げられます。
受付から検査、会計まで一つひとつの質を高め、クレームの発生を抑えましょう。
医療現場には衛生面の管理も不可欠です。衛生面とは、各種用品やトイレの汚れや臭いなどの清掃に関することだけではありません。スタッフの身だしなみやマスクの着用方法、治療時に薬品が患者の皮膚に付着するなどスタッフの振る舞いも含まれます。
院内の掃除を行うのはもちろん、治療用の道具は定期的に専門業者へメンテナンス、交換を行うなどで対策をとりましょう。また、スタッフ自身が清潔感を保つよう指導するのが重要です。具体的には、白衣・制服の着こなしやマスクの正しい着用、治療器具・薬品の慎重な取り扱いが挙げられます。
医療機関だからこそ、清潔感の良し悪しが患者の印象に与える影響は大きいです。清潔感は徹底して保ちましょう。
インプラントやセラミックなど、自由診療を取り扱う歯科医院は多いでしょう。自由診療は自由度と質の高い医療を提供できる反面、患者の金銭的負担も大きいため、トラブルの種になりやすいものの一つです。
治療方針や期間・費用に関して患者との認識齟齬を生まないためには、契約書を交えることが重要です。
契約内容を口頭だけの説明で終えてしまうと、抜け漏れや「言った、言わない」などのクレームに繋がる可能性があります。保証期間や費用の支払い方法、中途解約に関する取り決めなどを明記した契約書を用いて、患者との合意形成を図りましょう。
「受付や診察、会計の待ち時間が長い」というのは、歯科医院でよくあるクレームの一つです。待ち時間が長くなる原因はいくつか考えられますが、突き詰めると一つひとつの業務に時間を要しているのが一番の問題でしょう。
そこで、待ち時間の短縮に大きく寄与するのが予約・決済システムの導入による自動化です。システムを導入すれば、電話による予約受付や会計業務をスタッフの手から離すことができます。そうすれば患者1人あたりの応対時間を短縮できるため、回転率向上による待ち時間の短縮が期待できます。
事前対策を入念に行っていても、クレームを完全に抑えるのは現実的に難しいでしょう。以下では、クレームが発生してしまった際の対応方法を4つ解説します。
それぞれ詳しくみていきましょう。
クレームが発生した場合は、初期対応が大切です。初期対応を誤ると、患者がさらに怒ってしまい、より深刻な状況になりかねません。事を大きくしないために、想定されるクレームと対処法のマニュアルを作成しておきましょう。
クレームが発生した後の対処法だけでなく、通常時の応対もマニュアル化できると、クレームの防止になるのでより安心です。たとえば、院内が混んでいる際には、来院した患者へ「案内に時間がかかる」と伝えれば、クレームが発生する確率を減らせるでしょう。
新人・ベテラン問わず冷静・適切にクレーム対応をできるようにするためには、ロールプレイングを実施するのが有効です。
特に新人スタッフはクレーム対応に慣れていない場合がほとんどです。患者に怒鳴られたときには、委縮して正しい判断ができないかもしれません。既存スタッフでも、慣れているからこそ強気な態度を取ったり、一方的に突っぱねたりなど不適切な対応をするおそれもあります。
ロールプレイングを通じてスタッフの応対にフィードバックをすることで、スタッフは経験値を積めます。受付や診察、会計などのそれぞれのシチュエーションを一通り実施し、スタッフに慣れさせておきましょう。
クレームが発生したら、記録を取り院内で共有しましょう。一度発生したクレームは、再度発生する可能性があるためです。同じ患者はもちろん、他の患者でも同じクレームが発生しないよう、予防策を考え院内に周知しましょう。
レセコンや電子カルテの中には、患者の情報を記録できる機能を有したものがあります。患者ごとにクレームを管理することで、その患者が再来した際に適切に対応できるでしょう。
場合によっては、自分たちの手には負えないクレーマーが発生するかもしれません。以下のような度を超えたクレーマーが出たら、弁護士やクレーム対応の専門窓口などに相談をしましょう。
特に暴力を振るわれそうになった場合は、スタッフはすぐにその場から離れてください。悪質な場合は警察に通報しましょう。
診療費用の理不尽な減額や返金を求められ、埒が明かない場合は弁護士の力を借りるのも手です。安易な返金は、さらに患者をつけ上がらせるので望ましくありません。
歯科医院で発生しやすいクレームは、ある程度事前に想定が可能です。以下では、発生しやすいクレームに対する対処例を解説します。
それぞれ詳しくみていきましょう。
歯科医院において、待ち時間に対するクレームは特に多いです。待ち時間が発生する場面としては、受付と診察、会計の主に3つが挙げられます。
待ち時間に関するクレーム対応の基本は、事前に待ち時間が発生する可能性があることを説明することです。事前に伝えておくことで、患者に待ち時間が発生することをあらかじめ了承してもらえます。
クレームを入れられた際にも「事前に伝えた通り、院内が混み合っており時間を要している」と伝えれば、納得してもらいやすいでしょう。
「何度も通っているのに治療が終わらない」「治療したのに痛みが消えない」など、治療内容に関するクレームも多いです。クレームの背景には、治療内容に対しての説明不足が発端となっているケースが多くあります。
初回診察時に、治療の方向性や進め方について患者と話し合い、要望をカルテなどに記録しておきましょう。患者の要望を優先する場合は、リスクを明記した治療同意書へ記載してもらい、クレームを予防するのも大切です。
治療に想定外の費用がかかることも、クレームの原因の一つです。値段への感じ方は、人によって異なります。治療費が平均よりも高くなる場合は、患者へ事前に大体の費用を伝えるなどして、クレームを予防しましょう。
特にインプラント治療については、訴訟に発展するケースもあります。自力での解決が難しいと感じた場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
クレーマーを減らすためには、事前に手を打っておくのが重要です。スタッフの応対や身だしなみの改善や契約書面の準備、予約・決済業務のデジタル化は有効な手段です。
クレームが発生した場合でも、適切な対応がとれれば大きなトラブルへの発展を防げます。そのためには、マニュアル作成やロールプレイングなどの準備をしましょう。
患者が気持ちよく治療を受けられる環境を整え、より患者から選ばれる歯科医院作りの参考にしてみてください。
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